ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの危険性。専門家が解説

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム危険性ある?

結論から言います。葉酸と鉄の配合量に危険性が潜んでいます。

この記事では、ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの危険性について、3つのチェックポイントを元に分析した結果を公開しています。

そのへんの素人ライターとは違う、専門家ならではの視点をお楽しみください。

この記事を書いた専門家
めしぞう | 葉酸サプリ辛口評論家
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ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムに危険性はあるか?3つのチェックポイント

アサヒグループ食品株式会社が販売する葉酸サプリ「ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム」。

正式名称は「ディアナチュラスタイル葉酸×鉄・カルシウム」です。

ディアナチュラシリーズは、

  • ボトルタイプは「ディアナチュラ」
  • パウチタイプは「ディアナチュラスタイル」

という名称です。「葉酸鉄カルシウム」はパウチタイプのみ販売されています。

そんなディアナチュラ葉酸鉄カルシウムに危険性はあるか、安全なのか。次の3つのチェックポイントを分析すれば判断できます。

  1. 栄養成分の配合量
  2. 原材料
  3. 添加物

ひとつずつチェックしていきます。

1.ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「栄養成分の配合量」に危険性はないか?

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「栄養成分の配合量」に危険性はないか?過剰な配合になっていないかをチェックします。

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの栄養成分の配合量

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの栄養成分は次のとおりです。

葉酸480μg
ビタミンB11.2mg
ビタミンB61.8mg
ビタミンB122.4μg
ビタミンC100mg
ビタミンD8.5~20.0μg
15mg
カルシウム90mg

配合量の安全性

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの栄養成分の配合量をチェックします。

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムは、授乳期まで飲むことを想定しています。

その条件を考慮して判定した結果がこちらです。

「葉酸」と「鉄」の量にリスクがあります。

狭義の葉酸(妊活期、妊娠初期):480μg

まず、妊活期から妊娠初期に推奨されている狭義の葉酸の量は、400μgです。480μgなんて推奨されていません。

なぜ、480μgではなく400μgが推奨なのかと言うと、狭義の葉酸を摂りすぎると健康障害のリスクも高まるからです。

そのため、有用性が期待できるもっとも低い数値360μgを平準化して、400μgを設定しているのです[1]

健康障害のリスクを最小まで抑えた400μgが「安全」と言える量です。勝手に80μgも増やしては「安全」とは言えません。

狭義の葉酸(妊娠中期・後期、授乳期):480μg

次に、妊娠中期・後期、授乳期に狭義の葉酸は推奨されていません。推奨されているのは「食事性葉酸」です。葉酸の種類が違います。

食事性葉酸として、

  • 妊娠中期・後期:480μg
  • 授乳期:350μg

が推奨されています。そのうち、食事から240μgほど摂れてるので、サプリで補う量は、

  • 妊娠中期・後期:240μg
  • 授乳期:110μg

ほどで十分です。

もし、狭義の葉酸として摂るなら、狭義の葉酸の生体利用率(50%)を考慮して、半分以下に減らすのが正解です。そうなると、

  • 妊娠中期・後期:120μg
  • 授乳期:55μg

これが、狭義の葉酸として摂るべき正解値です。狭義の葉酸480μgとかやめましょう。摂り過ぎです。無駄に健康障害リスクを高めるだけです。

鉄:15mg

鉄の需要が増える妊娠中期~後期なら、15mgでもギリ許容範囲です。ですが、妊活期~妊娠初期に15mgなんて摂るべきではありません。こんなに摂る必要はありません。

鉄が無駄に体内に蓄積されると、強力な「活性酸素」を生み出します[2]。通常より活発な酸素のことです。

この活性酸素が増えすぎると、身体が「酸化ストレス」という状態になります[3]。酸化ストレス状態になると、生殖能力が下がります[4]

2.ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「原材料」に危険性はないか?

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「原材料」に危険性はないか?をチェックします。ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの原材料は次のとおりです。

デキストリン(国内製造)、有胞子性乳酸菌末

デキストリン

じゃがいもやとうもろこしのデンプンを分解したものです。粒を固めるために使います。安全です。

有胞子性乳酸菌末

胞子(殻)を作ることで、腸まで届く乳酸菌です。安全です。

3.ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「添加物」に危険性はないか?

ディアナチュラ葉酸鉄カルシウム「添加物」に危険性はないかチェックします。ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの添加物は次のとおりです。

貝Ca、V.C、ピロリン酸鉄、セルロース、ケイ酸Ca、デンプングリコール酸Na、ステアリン酸Ca、セラック、糊料(プルラン)、V.B6、V.B1、葉酸、V.D、V.B12

栄養強化剤(ビタミン・ミネラル)以外の添加物をチェックします。

セルロース

増粘剤(ぞうねんざい)です。増粘剤は、粉末に粘りを出して、分離しないように安定させる糊(のり)の役割です。安全性に問題はありません。

ケイ酸Ca

賦形剤(ふけいざい)の一種です。賦形剤は、カサ増しや、形を成型するために使います。安全性に問題はありません[5]

デンプングリコール酸Na

加工デンプンのひとつです。加工でんぷんも糊の役割です。安全性に問題はありません。

加工デンプンの豆知識

加工デンプンは全部で12種類あります[6]

参考)加工でんぷん一覧
  • アセチル化アジピン酸架橋デンプン
  • アセチル化リン酸化架橋デンプン
  • アセチル化酸化デンプン
  • オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
  • 酢酸デンプン
  • 酸化デンプン
  • ヒドロキシプロピルデンプン
  • ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン
  • リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
  • リン酸化デンプン
  • リン酸架橋デンプン
  • デンプングリコール酸ナトリウム

12種類のうちの2つ、

  • ヒドロキシプロピルデンプン
  • ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン

この2つは、EUで乳幼児向けの食品に使うのを禁止しています[7]

要するに、「ヒドロキシプロ」と付く加工デンプンは、やや危険です。

一方、ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムで使われているのは「デンプングリコール酸Na」なので、安全です。むしろ「加工デンプン」一括表記ではなく、具体的に書いているのが良心的です。

ステアリン酸Ca

賦形剤(ふけいざい)の一種です。安全性に問題はありません[8]

セラック

光沢剤です。ツヤを出すためではなく、湿気対策やニオイの防止などコーティング目的で使われます。

原料は、ラックカイガラムシの色素からさらに抽出したものです。虫というと気持ち悪いですが、虫そのものではありません。安全性に問題はありません。

ツヤツヤしておいしそうなチョコレートの原材料に「光沢剤」と書いてあったら、ほぼほぼセラックです。

糊料(プルラン)

水飴を原料とした糖類の一種です。文字通り粉末をくっつける「ノリ」の目的です。安全性に問題はありません。

まとめ:ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムは葉酸と鉄の配合量に危険性あり

というわけで、今回は「ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムの危険性」と題して、ディアナチュラ葉酸鉄カルシウムに危険性はないのかチェックしてみました。

結果は、

  • 栄養成分の配合量→危険性あり
  • 原材料→安全
  • 添加物→安全

ということで、葉酸や鉄の配合量に危険性がありました。もちろん、飲んですぐ何か悪影響が出るとかではありません。

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参考文献
  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」(閲覧日:2023年6月15日)

  2. 日本内科学会雑誌 第99巻「鉄代謝の臨床 鉄欠乏と鉄過剰:診断と治療の進歩」(閲覧日:2023年6月15日)

  3. e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」(閲覧日:2023年6月15日)

  4. PMID:22748101(閲覧日:2023年2月21日)

  5. 厚生労働省「食品健康影響評価の結果の通知について」(閲覧日:2023年6月15日)

  6. 農畜産業振興機構「加工でん粉の食品における役割」(閲覧日:2023年3月20日)

  7. 食品安全委員会「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(PDF)」(閲覧日:2023年3月20日)